てくてくハイキング

松尾大社・嵐山公園・清滝川・保津峡の東海自然歩道を巡る紅葉狩りウオーク

 令和5年11月26日午前10時に阪急松尾大社駅前に集合したのは、大阪早稲田倶楽部から16名(うち慶応1名)、宝塚稲門会から5名そして神戸早稲田倶楽部から3名(うち姫路1名)の24名であった。
 今回のコースは、阪急松尾大社駅から松尾大社(庭園・神像館拝観)~嵐山公園亀山地区~竹林の小径~嵯峨鳥居本伝統的建造物群保存地区~落合橋~清滝川の東海自然歩道~JR保津峡駅である。
 松尾大社は、上賀茂神社、下鴨神社と同様、平安京造営以前から存在する京都最古の神社の一社である。秦忌寸都理(はたのいみきとり)が大宝元(701)年に本殿を創建して以来、松尾大社と賀茂神社とは皇城鎮護の社とされ、皇室や幕府の庇護を受け、秦氏の子孫が明治初年まで代々幹部神職を勤めてきた由緒ある神社である。
 境内にある見事な庭園と平安時代に造られた神像を見たあと阪急松尾大社駅に戻り、阪急嵐山駅へ電車で移動した。嵐山公園での紅葉は見頃を迎え、公園内は沢山の観光客で賑わっていた。
 頂上公園まで登り、保津川渓谷を見下ろせる絶景ポイントの展望台で昼食をとる。昼食後、頂上公園を降りて、陽が入らず緑色の竹が所狭しと林立してうっそうとしている嵐山竹林に至る。
 竹林の小径は観光客で混雑していたため、小径の中には入らず、先へと進む。御髪神社までは一行はまとまってはいたが、観光客の混雑の余り、それ以降、一行の多くは先頭を見失い、遅れた者は小集団に分かれてバラバラになってしまった。そのため集合写真を撮っても必ず誰かがいないという状態になるが、清滝のバス停に立ち寄り、自然歩道に入ることは事前に参加者に案内済みなので一行はひたすら清滝バス停や自然歩道を目指して歩き続ける。途中、常寂光寺、二尊院、祇王寺などの名刹の門前を通る。行程では立ち寄る予定はなかったが、庭園の紅葉に見とれたか、間違って別の集団の後をついて行ったのかは不明であるが、何名かは何処かの名刹の庭園に入園して寄り道していたようである。時々、幹事が心配の余り携帯電話で不在者の所在を確認すると、何故か遙か後方にいることが判明し時間が経つにつれて一行の間隔が徐々に空いていったのが分かる。
 八体石仏がある三叉路を左方向に進んで嵯峨鳥居本伝統的建造物群保存地区に入ると、昔ながらの伝統的な建築様式の民家が続く。さすがにここまで来ると観光客は少なくなる。
 保存地区では、あだし野念仏寺や愛宕念仏寺の門前を通る。この時期は陽が落ちるのが早いうえに、清滝川の東海自然歩道は山に囲まれた谷川沿いにあることから、陽が落ちて歩道付近が暗くなると岩場は歩行困難になりJR保津峡駅に辿り付けなくなるおそれがあるため、拝観したいという声を振り切り、寄り道せずここも素通りする。
 落合橋に着くと、幹事はここで参加者全員の所在を目視で確認出来た。そして橋の東詰にある階段を降りると、清滝川に沿って整備された東海自然歩道に入る。
 歩道の道幅は狭く、前から来る人とすれ違うのがやっとという道や上流から転がってきたであろう岩場の道を通る。所々、清滝川には川水が滝になって注ぎ込む支流がある。自然が造った岩場の造形と清滝川の澄んだ小川を見ながら歩くと、観光客で混雑する雅な嵐山の建造物の喧騒とは異なり、静かで荒々しい自然に囲まれた別世界の中を歩いている気分に浸ることが出来た。
 清滝川は桂川と合流すると、一挙に川幅が広くなると共に川の色は白濁した薄緑色に染まる。時折、保津川下りを楽しむ船が見える。
 一行がJR保津峡駅に着いてから山陰本線の電車に乗り、JR京都駅で解散したのは午後4時頃であった。その後、有志15名(うち女性5名)でJR京都駅近くの居酒屋で懇親会を行い、初めて出会った参加者間でも歓談は尽きなかったが、午後6時には飲み放題の時間が尽きたことから散会した。

ハイキング部 田村 昌之(昭和54年法学部卒)

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