大阪早稲田倶楽部

Wフォーラム・スピンオフ講演会『震災と水害を越えて、輪島に生きる!』

 久しぶりのWフォーラムが大阪市北区の大阪市立総合生涯学習センターで開かれました。会場のご案内が行き届かず、迷子になる参加者が続出し、運営にも至らない点がありましたが、講師を務めた輪島塗「しおやす漆器工房」代表取締役の塩安真一先輩(1974年理工)の魅力的なお人柄のおかげで、講演会、懇親会とも大いに盛り上がりました。

 石川県輪島市にお住まいの塩安先輩は今回の講演会のために、朝イチのバスで3時間かけて金沢へ出て、さらに在来線新幹線を乗り継いで昼過ぎに大阪入りするというハードな行程でお越しいただきました。講演では、2024年1月の能登半島地震からの復旧が進む輪島の現況や、輪島塗の工房の大半が全半壊の被害を受けた中で職人さん達が頑張っておられる様子などを、熱を込めてお話いただきました。

 特に興味深かったのが、国の重要無形文化財に指定されている輪島塗の工程の話でした。輪島塗の工程は、主に「木地」「塗り」「加飾」に分かれ、「塗り」だけでも100以上の緻密な手数を経て、完成までに半年から数年かかるそうです。すべての工程を管理・調整し、「輪島塗」の完成・販売・納品までをプロデュースするのが塗師屋(ぬしや)です。塩安先輩で八代目となるしおやす漆器工房は、輪島で最も有力な塗師屋の一つとして、輪島塗の伝統の技を守りながら、高品質な実用品の漆器を作り続けておられます。

 講演後は参加者から活発に質問が出され、塩安先輩も笑顔で応じてくださいました。これまでいくつかの稲門会に顔を出されたという塩安先輩も、「大阪が一番盛り上がって楽しかった。メンバーが年齢問わず皆が親しい雰囲気でびっくりした」と話しておられました。

 なお、今回の講演会運営に当たっては、豊住伸夫さん(平20人科)に大変お力添えいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。

 最後に、塩安先輩から皆さんへのメッセージを記します。

 「皆さん能登に来てください! それが現地復興への一番の助けになります」

(豊島恵子 1977年法)

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